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料理研究家 加瀬まなみオフィシャルブログ。 普段作っているお料理や、 お料理教室でご紹介したレシピ、 行きつけのお店のおいしいメニューなど。

憧れの『L'estudi』

日本におけるスパニッシュ・ガストロノミーの第一人者
ジョセップ・バラオナさんのお店『L'estudi』へ行ってきました。

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レ・ストゥディは一日一組限定の完全予約制。
顔の見えるキッチンで、ピンチョスから始まるコース料理と、それぞれに合わせたワインが「完全お任せ状態」で提供されるレストラン。

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先日開催されたPaella Lovers Collection2014でANETO社長賞をいただき
今回はそのインセンティブランチ。
私が作ったレシピ「マーマレードチキンパエリア」が掲載された
小さなリーフレットもいただきました♪

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まずはシェリーで乾杯し、5種のアミューズプレートからスタート
コカ・デ・レカプテ
サーモンのコンフィ
大根とアルベキーナソース
赤ピーマンのジャムと焼いわし
イベリコ生ハムのクリームコロッケ
モダンスパニッシュを感じられる、洗練されたお料理たち。

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『にんにくスープ』
オリーブオイルでニンニクとパンを炒め、水で煮込んで一晩冷やし
翌朝、卵とイベリコ豚の生ハムを混ぜる、ビニェス家に伝わるレシピ。
ニンニクの香ばしさと旨味をダイレクトに感じられるスープ。
食べるスープという感覚で、CAVAとも白ワインとも相性バッチリでした。

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下仁田ネギのフリットとロメスコソース』
焼きネギにソースをつけて食べる郷土料理「カルソッツ」をアレンジ
包み揚げにしてカリッとした食感をプラスしたお料理
カリットロ~な楽しい食感と、ネギとソースの野菜の甘みが絶妙!
このタイミングで提供されたパンで、ソースをぬぐって食べるのも至福でした。

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バスク風魚のカスエラ』
アサリの旨みと縮みホウレンソウの甘みが溶け込むお料理。
「主役はスープ、ホタテと魚は食べなくていいよ」と冗談を言うシェフ
とんでもない!ホタテも魚もとっても美味しくいただきましたけど
そこまで言うのも納得できる程、旨みがぎゅっと詰まったスープ。
樽感しっかり深みのある白ワインとピッタリ~と言いつつ
内心、ここにご飯入れたい、ラーメン入れたいと思っていたのは秘密。

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アロスネグロ
黒い米、という名のカタルーニャのイカスミ料理。
パエリアではなく、ややリゾット寄りにしっとり仕上げるカルドッソ。
生クリームなどは使わず、素材の旨みをぐっと引き出したような、とにかく旨味が濃い!
イカスミと言えば普通に白やシェリーをあわせちゃうトコですが、ここで提供されたのは赤。
赤にも負けない自信とプライドを感じ、ひたすら唸るばかりでした。

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『イベリコ豚トロのモルノ風』
これこれ!これが!もう!きっと、一生忘れられない一皿との出会いだったんだと思います。
柔らかふるん、上品な味わいのお肉に、ほろ苦いカリフラワームースがふわり。
一緒に合わせたエキゾチックな赤ワインとのマリアージュも、あまりにもドストライク!
憧れのお店で背筋をシャンをさせていた私、ひと口で、肩の力が抜けていくのを感じました。

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『リンゴの赤ワインコンポート』
煮込みすぎず、あえて「ちょっとだけ」食感を残したリンゴのコンポート
スープはほのかなスパイスと、上品な甘み。
デザートには甘みがちょっと足りない?と思わせる味付けに
ペドロヒメネス(ごく甘口のシェリー)。
心を先読みされたような、やられた~って気分でした。

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かの小笠原伯爵邸の総料理長、「Bikini」プロデュース、愛知万博スペイン館タパスバーの総合プロデュース・・・天空人のような肩書きの並ぶシェフ。
コロッケは1個だけ辛いの入れたよとウソをついたり、下仁田ネギを「シモネタネギ」と何度も繰り返したり、素顔はとってもお茶目な方でした。
muchas gracies Josep !