スペインバルをはしごしよう「Tapeo!Tapeo!Tapeo!」
スペインには「タパスを食べに旅に出る」という意味の「tapeo(タペオ)」という言葉があります。
旅に出る?って思うかもしれないけど、これが決して大げさではなく。
一軒のバルであれこれオーダーして長居するのではなく、このバルでは生ハム、このバルではオムレツ、煮込み料理はむこうのバル・・・てな具合に、それぞれの看板メニューをつまんで次のバルへ「はしごする」スタイル。
なんだか落ち着かないなぁ、のんびり呑みたいなぁって思ってた私ですが、やってみると何とも楽しい!最近ではもっぱら、スペインバルに行こうって時はタペオづいてます。
そんなわけで、昨夜は「Tapeo!Tapeo!Tapeo!」1軒目は
行きたいお店はいっぱいあるんですケド、ありすぎて行ききれてないんですケド、やっぱりここは、どうしてもはずせないんです。
メニューもお気に入りはいっぱいあるんだケド、せっかくなので日替わりから
「地魚をのせたポテトサラダピンチョス風」
出てきたお料理は、思ってたのと全然ちが~う!!と、大爆笑。
ごろっと肉厚な地魚の下に、スペイン風ポテトサラダと紫キャベツの酢漬けの三重奏。
ポテトサラダはマッシュポテトではなくジャガイモゴロゴロ、そしてスペインバル定番の、おろしニンニクを効かせオリーブオイルを乳化させた「アリオリ」。
可愛らしい盛りつけだけど、紫キャベツのビネガーはキリリ、アリオリのニンニクは辛味を感じるほど効かせ「あ~スペインで食べたのはこんなだったな」って懐かいインパクト。定番の中に個性を潜ませる、マコさんマジックを光らせた1皿でした。
バルマコはメニューを見るより、キッチンにスタンバイされてる仕込み料理に誘われるんです。こんな煮込み料理をホーローに積んで、カウンターから見える位置に置いてるんですもの!
仕方ない・・・タペオだよって言ってるのに欲望は抑えられず(苦笑)
ラム肉で作ったミートボールは、こぶし程の大きさでごろんごろんと2つ。ラムの濃厚な風味と、タイムやセイジ、ローズマリーなどハーブの香り。中にはクリーミーなホルモンが隠されてました。
最後にシェフが「今しか食べられないチーズが入ったんですよ」と、冷蔵庫から出してきてくれた小箱。
スプーンですくうと加熱したの?って程、とろ~んと♪もうね、これ見ただけでテンションあがっちゃいました。なめらかな口どけに、ウォッシュとカマンベールの中間のような味わい。美味しい~!!
スペインでも簡単には手に入らないらしく、お店にこのチーズが入ると「トルタ・デル・カサールあります」って張り紙をするんですって。スペインチーズと言えばハード系って印象を持っていたので衝撃的でした。
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既にほろ酔い&胃袋も想定より満たされちゃいましたが
タクシーをひろって2件目はイワシ料理の聖地へ
ホントなら「まずは串焼き♪」といきたいトコですが、スタートダッシュでやりすぎた胃袋。
串焼き、酢漬け、タルタル、フリータス、コカ・・・
しばし迷って、ここで1皿だけ食べるなら、私ならコレかな?と
「イワシのフリータス」
カリッと軽い食感の衣と、イワシの身はふわっふわ。シェリーがすすみます。
ひと口ごとに肩の力が抜け、ほっこり元気がみなぎる感覚。
取材の時に特別に出していただいた「ムール貝のコロッケ」
ムール貝の旨みがぎゅぎゅぎゅ~っと詰まったベシャメル(クリームソース)は、女性はもちろん、おひとり様の紳士でも思わず笑みがこぼれる美味しさ。
その時はレギュラーメニューじゃないから掲載できなかったのですが、なんと!レギュラーメニューになったそうです!1個700円、あぁ、またこの店のマストオーダーが増えてしまった。。。
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さてさて、タペオに長居は禁物
南北線に乗って六本木一丁目へ移動し3軒目はこちらへ
タペオに出ると、予定はなくても立ち寄りたくなっちゃうんです。
路線的に帰り道ってこともあります、お料理やワインが魅力的ってこともあります、でもそれ以上にスタッフさんたちに会いに行きたくなっちゃうんです。
入り口で「来ちゃった(はぁと)」ってマンガみたいなこと言ってみたり。
いかにもほろ酔いの私たちを見て「胃袋も肝臓もいっぱいな状態なら、こういうのどうですか?」って、いつもながらに個性的なワインをお披露目してくれました。
赤・白・ロゼに続く新旋風として最近注目されてる「オレンジワイン」。ソムリエ金子さんは、変化球でほんのり濁りのあるオレンジワインをもってきました。グレープフルーツの香りと酸味、味わいは見た目の印象を裏切るクリアでエレガントな感じ。
手前から2番目も印象的だった、ボバルで作ったロゼ。アーモンド由来の名前と、エチケットの絵もアーモンドの花かな(たぶん)。グラスいっぱいに広がる香りはたしかにアーモンド!口当たりも酸も穏やかで優しい味わい。
どちらもスペインワインの既存の印象は全く感じられません。どんどん進化してます・・・
美味しいワインとカウンター越しに微笑むシェフ。胃袋は満杯でも、脳が料理を欲する状況。
「おなかいっぱいなんですけど、何かこう、そんな状況でつまむ物ってできます?」
なんて無茶な事言ってみると、よしきた任せとけって感じの表情でチャチャッと作ってくれたお料理。重さを感じさせない軽やかなフリートス。
マッシュルームと・・・鮭の心臓?だっけ?酔いがすすんでたらしくうる覚えですが(^-^;;
砂肝をもう少し柔らかにしたような食感。臭みは全くなく、とっても美味しくいただきました。
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本当はもう1軒行きたかったんだけど、胃袋的にも時間的にもココで終了。
Tapeoはやっぱり楽しい!次はいつ旅に出ようかな~♪